Lifelog2011

2011/11/08

ブクブク交換の為に用意した本

ブクブク交換の詳しい説明はこちらを

11/8に参加予定だったブクブク交換、『第二回 本と名刺の交換会、ブクブク交換in野毛(横浜)』用に用意した本をご紹介。

その1、読んで楽しくなる本 

じつは、わたくしこういうものです
クラフト・エヴィング商會
平凡社 ( 2002-02 )
ISBN: 9784582829921

大好きなクラフト・エヴィング商會の本。
架空の物を創りだす事に長けているクラフト・エヴィング商會が、今回は実際の人物に架空の(空想の)職業を当てはめて、写真と文章で魅力的に語りださせる、という本。
登場する人々が、それぞれもっともらしい雰囲気に見えてきて、そんな(空想の)職業に憧れてみたくなったり…。
読んで愉しい…というよりも、現実逃避の書籍なのかも(笑)

白眉は最後に登場する『冬眠図書館のシチュー当番』。詳しい説明はあえてしませんが、ブッキッシュ(Bookish)の方なら魅力的に見える筈です!

その2、泣ける本 

森崎書店の日々 (小学館文庫)
八木沢 里志
小学館 ( 2010-09-07 )
ISBN: 9784094085457

失恋して仕事も失った女の子が、叔父の経営する古書店で暮らし、叔父や周囲の人々に見守られて再生していく物語。

ストーリーはシンプルで、結末もすぐに想像できる物語。でもホロリとして、(まるで泣いた後のような)爽快感を感じた一冊でした。

多くの本に囲まれた空間は、繭の様に感じられることがありませんか?その1で紹介した『じつは〜』の冬眠図書館にも通ずる、自分の理想の世界なのかも。
この作品の魅力は登場する人物のそれぞれも魅力的。初読時には、しばらくこの世界に浸ってみたくなった事を思いだします。

その3、何度でも読み返したくなる本

波止場日記―労働と思索
エリック ホッファー
みすず書房 ( 2002-08 )
ISBN: 9784622051398

エリック・ホッファーはアメリカの思想家。
数奇な人生を送ったひとで、失明・無学を経て49才で処女作を発表するまでは沖仲仕として働きながら、読書と大衆運動についての思索をかさねた人です。

この本はそんな沖仲仕としての労働と思索にふける日々の日記。ただそれだけの書籍。なのに奥が深い。

おそらく自分の行動規範になっている本です。ホッファーのような境地には絶対に達することはできないけれど。

何度の読み返して、新たな発見が何度もある本です。

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と、3冊をセレクト(2冊は交換用に新たに古書を買っちゃったよw)

それにしても選書が難しい。
自分の思いだけではなく、他の参加メンバーに興味を持ってもらえる書籍を選ぶのが難しいです。

加えて、これを人前でプレゼンできるのか、俺…(笑)

*前回の様子はこちら

2011/10/27

さようなら、どくとるマンボウ

北杜夫さん死去=「楡家の人びと」「どくとるマンボウ」

2011年10月26日10時16分

大河小説「楡家の人びと」やユーモアあふれるエッセー「どくとるマンボウ」シリーズなどで知られる作家で元精神科医の北杜夫(きた・もりお、本名斎藤宗吉=さいとう・そうきち)さんが24日死去した。84歳だった。葬儀は近親者で行う。

アララギ派の歌人で精神科病院を経営する斎藤茂吉の次男として東京に生まれた。旧制松本高校時代にトーマス・マンの作品や父茂吉の歌集を読んで文学に心酔。東北大医学部在学中から小説を書き始め、卒業後は慶大病院に勤務の傍ら、同人誌「文芸首都」に参加した。

1958年から59年にかけて水産庁調査船の船医としてアジアから欧州を航海。その体験を記した60年のエッセー「どくとるマンボウ航海記」がベストセラーになった。

同年、ナチスドイツに抵抗して患者を救おうと苦悩する精神科医を描いた「夜と霧の隅で」で芥川賞受賞。斎藤家をモデルに精神科病院一族の歴史を描いた64年の「楡家の人びと」で毎日出版文化賞を受賞。純文学作品の一方で、「怪盗ジバコ」「さびしい王様」などのユーモア小説や「船乗りクプクプの冒険」などの児童文学作品も発表し、若い世代を中心に人気を集めた。

自身のそううつ病(双極性障害)の病状をエッセーで面白おかしくつづったほか、熱烈な阪神タイガースファンとしても知られた。96年から日本芸術院会員。兄は精神科医の故斎藤茂太さん。長女はエッセイストの斎藤由香さん。

via asahi.com

どくとるマンボウこと、北杜夫さんが亡くなりました。
中学生時代に理科の教師に勧められたのがきっかけで、北杜夫の本を読むようになって以来のファンでした。
たぶん、自分の読書好きの傾向をはっきりと認識したのは、それ以来のことだと思います。

人間味溢れるユーモア、そこはかとないシニカルな視線、理知的な文章。加えて小説の詩情溢れる美しい文章に、幾度となく戦慄を覚えたことを思いだします。

もしかすると、自分の文章には若干、北杜夫さんの影響があるかも知れません。いや、あると勝手に思っています。
いや、むしろ昭和軽薄体などのその後のエッセイスト達も、北杜夫さんの影響があるのかも知れません。

最後に好きな作品をいくつか挙げておく。

どくとるマンボウ航海記、昆虫記。〜自分にとっての最初のマンボウ物。
船乗りクプクプの冒険。〜童話にして、メタ構造の面白さを知った作品。
幽霊・木精〜叙情的な青春譚。当初は続編の構想も…。残念。
まんぼう周遊券〜阿川弘之の『南蛮阿房列車』の北杜夫さんからの視点。
茂吉彷徨〜父親、茂吉の傑作評伝。
輝ける蒼き空の下で〜南米移民についての著作。移民=棄民との視点を得た本。
白きたおやかな山〜山岳小説。

などなど…

北杜夫さん、今まで素敵な書籍をありがとうございました。そして、どうか安らかにお眠りください。

2011/08/13

[企画展]『東京の微地形模型』TOPOGRAPHY MODEL TOKYO

展覧会名:『東京の微地形模型』TOPOGRAPHY MODEL TOKYO
場所: 南洋堂書店(@神保町)
会期:7/23〜8/27
入場料:無料
見学日:8/13
図録:なし

地上にあるすべてのイコンを取っ払い、ただの地形のみに還元し表現する展示。
眼前にあるのはただの地形そのものなので、東京とはすぐに認識できず戸惑ってしまう。しかし、じっくりと眺めているうちに記憶にある地形を見つけると、その瞬間に東京が眼前に出現するという体験をする事が出来た。
なんとなく認識している東京は台地と低地の二項対立(言うなれば山手と下町のような)なのだが、模型をみるとまるで肺胞のように細かく台地と低地が入り組んでいる事に気がつかされる。
普段、地図やGoogleマップ(それこそカシミール3D)などで見ている事なのに、改めてその地形を認識した感じでした。
実際にその地形を体感することとも違う、何か別の体験を得たような気がします。
素晴らしい展示でした。

(追記)
同じ縮尺で各地のものを作ったら面白いと思う。例えば武蔵野とか下総とか横浜周辺とか。それぞれの地形的特徴を一瞬で把握できる。きっと、どんな言葉で説明するよりも強い。

2011/08/06

横浜充

その1:広瀬始親写真展 横浜ノスタルジア・特別篇~ 昭和30年頃の街角 @横浜開港資料館

昭和30〜40年代の横浜を生き生きととらえた写真展。広瀬始親さんは今だご存命(びっくり)カメラはNikonS2(!)おそらくある世代の人には懐しい写真。
本牧のチャブ屋、三渓園裏の潮干狩り(昭和30年代!)、犬を抱いた老人(これがすばらしい!)、作り掛けの根岸線(派吉田川にまだ水があることに驚き)、神中坂からみた眼下の街並み、子供たちのチャンバラごっこ…。
ひとつひとつの写真がその時代をとらえている。単なる記録写真ではなく、そこにブレッソン的な瞬間を捉えているのも素晴らしいと感じた。
自分もああいう写真が撮れたらなぁ…修行、修行。

その2:カメラがとらえた昭和30年頃の横浜@横浜都市発展記念館

これも広瀬始親の写真。コーナー展なので常設展の入場料のみ必要。車と横浜市電の写真。今では考えられない久保山バス停(霞橋?からの眺め)付近の写真。打越橋の下を通る市電(って市電ばっかり!)

その3:フィリピンの文化と交易の時代~ハロハロでgood!~@横浜ユーラシア文化館

元々行く予定はなかったのだが、民族学的興味から。フィリピンの先史文化の展示。籐や蔦で編んだ生活雑貨の美しさに驚愕。昔の日本の民芸(柳宗悦的な民芸)とかわらないクオリティ。文化の優劣を比べる人がいるがそんなものは幻想に過ぎないと思い知らされた。
鼻笛などの楽器の焼き鏝やスクラッチでで付けた模様も幾何学的で本当に美しい。

その1、その2の写真展と横浜中央図書館で開催中の「野毛山の『昭和』―坂と公園の物語―」 とワンセットなので一緒にどうぞ。

このあと野毛の隠れ家的蕎麦屋と福田フライで食事&呑み。楽しい一日でした。

すべて図録は未購入(図録そのものはない?)

2011/08/01

[企画展]二ヶ領用水竣工400年記念 二ヶ領用水ものがたり

展覧会名:二ヶ領用水竣工400年記念 二ヶ領用水ものがたり
場所: 川崎市市民ミュージアム
会期:7/23〜9/11
入場料:¥500
見学日:7/31
図録:¥1000(未購入。思案中)

徳川家康の江戸入府以降に作られた多摩川西岸(川崎周辺)の用水・二ヶ領用水に着いての企画展。

感想を幾つか

  • 江戸期の水路図、近代の水路改修の図面。現在でも残っている水路は明治〜昭和期に改修されたもので、だいぶ直線的になっている。江戸期の用水路は自然地形に従ってかなり複雑な水路であったみたい。
  • 水利権絡みの村同士の訴状、これが以外と頻発(笑)勝手に水路を開削したとか、途中の村で水を搾取しているとかなんとか。こんなのばっかり(笑)
  • 二ヶ領用水から横浜へ水道を曳いた時期もあったらしい。これは知らなかった。調べてみよう
  • 取水ロの維持管理に登戸の住人が請負していた。費用は多摩川を下る木材の筏の通行料によったらしい。取水口に水を導く蛇籠(竹かごに石を入れたもの)が筏で壊されるためだったらしい。
    ただし、通行料を取る時期は決まっていたらしく、期間外に通行料を取られた!なんて訴状も展示してあった(世知辛いなぁ)
  • 久地の円筒分水も水抜きした素の状態の写真も展示してあった。普段は水で見えない部分の構造もわかって興味深かった。
  • 帰りは市民ミュージアムから駅まで用水沿いを散歩。武蔵小杉の駅の側を用水路があることに、どれだけの人が気付いているのだろう?!
    地図の上で武蔵小杉の駅傍を用水路があったのは以前から知っているが、実際に歩くのは全く違うこと。体験と言うか身体化して置くことも大切だよね。(もちろん知識なき体験でもいけない。車の両輪だよね)
  • 所々に用水らしき暗渠も発見。(要検証か。ちゃんとした用水路の地図が欲しい…)。

図面まで様々な時代の多種多様な資料を展示してあるなかなかの好企画展であった。楽しい一日だった。

最後に今の二ヶ領用水の写真を。

水は少なくて若干ドブ臭いけれども、親水化、緑道化されていて、いい散歩道になっていました。

2011/07/27

[企画展]野毛山の『昭和』―坂と公園の物語―

展覧会名:野毛山の『昭和』―坂と公園の物語―
場所: 横浜市中央図書館地下1階ホール、横浜市史資料室展示コーナー
会期:7/16〜8/28
入場料:無料
見学日:7/23
図録:なし・(リーフレットのみ)

飲み屋が広がる『野毛』ではなく『野毛山』を対象にした展示。
空撮写真と街の賑わいを写した写真がメイン。

感想を幾つか

野毛の切通しが今のような道幅になったのは震災後(知らなかった)。市電もそのときに開通。(意外と遅かったのね)
戦前戦後の殷賑ぶりに驚愕。野毛ではなく野毛に到る坂の賑わっていたとは到底信じられない。
震災後の都市計画案の地図。あれが実施されていたらどんな街になったのかね…
あまり記憶にない野毛山プール(’09に解体…最近まであったのに)。立派なプールだったのだなぁ…
野毛山公園(庭園風の場所)が遊園地風の遊具があったらしい。航空写真では確認できず。これ…ちょっと調べよう。気になります。
野毛山貯水池の上って今は立入禁止だけれど、昔は解放していたようだ。(これも要研究)

野毛の切通しを説明するのに横浜浮世絵を利用していた。五雲亭貞秀…懐しい。県立博物館に貞秀の企画展の図録を買わなかったのが今でも悔しいところ。

映画『コクリコ坂から』が横浜を舞台にしているためか、昭和期の横浜の展示が幾つか並行して催されています。映画、散歩と一緒に是非。

2011/07/18

[企画展]大横須賀と金沢

展覧会名:大横須賀と金沢
場所:神奈川県立金沢文庫(横浜市・金沢文庫駅下車)
会期:6/9〜7/31
入場料:¥250
見学日:7/14
図録:価格不明(未購入)

 江戸時代に金沢藩としてまとまっていた地域は、近代になると、国際貿易港横浜を核とした文化圏と、横須賀軍港を核とした文化圏の中間地帯となりました。昭和になると、戦前の大合併で横浜市の行政区画に組み込まれましたが、軍事的・経済的には海軍の管轄区域に組み込まれていきました。
 今回の展示では、横須賀軍港を中核とした金沢地域の近代化と、それに伴う協調と軋轢を資料から追うことで、横浜中心に考えがちな金沢の近代を再検討する素材を提示したい

という展示でかなり期待していたのだが、残念ながらこちらが期待したほどではなかった。帝国海軍ファンなら楽しめるのかなぁ…実際そんな感じの方ばっかりだった。

横浜市に吸収されたために自治体当時の資料というのがあまりないのも原因らしいけれど…

金沢文庫の企画展は当たり外れの差が激しいですね…残念。

2011/06/20

ちいさな珠玉の叢書・カラーブックスに夢中

カラーブックスとは保育社から観光されていた写真主体の実用書・図鑑?の叢書。
旅・風土・芸術・文化・趣味など多ジャンルに渡って多種多様な物が刊行されています。
現在新刊は刊行されていないのですが(残念、是非!)発行元の保育社の在庫や古書は入手することが出来ます。

今、カラーブックスの収集に夢中になっています。もちろん興味のあるジャンルのみですが(笑)

2011/05/17

[企画展]堀内誠一 旅と絵本とデザインと

展覧会名:堀内誠一 旅と絵本とデザインと
場所:うらわ美術館(さいたま市・浦和駅下車)
会期:4/23〜6/26
入場料:¥600
見学日:5/17
図録:¥1680(購入)(企画展の図録はなく、平凡社刊の冊子。内容は企画展とリンクしている)

'09に世田谷文学館で開かれた企画展と同一のもの。
堀内誠一好きは子どもの時から。

感想をメモから幾つか

  • 堀内誠一の父親が関わった多田北鳥のサン・スタジオ(滝野川)は「日本のバウハウス」と呼ばれていたらしい。→それすごい!要調査。
  • ラルティーグやボナールが好きだったらしいけれど、それなんかわかるなー!
  • ミノルタが制作していたPR誌『ロッコール』がちょうすてき。このスタイルって後の『THE LENS WORKS』(キヤノンがだしていたレンズ解説書?)に良く似ている。スタイルを踏襲されていたのだろうな。
  • アン・アンやブルータスも今よりも文章が少なく感じる。ライフスタイル解説ではなく、ライフスタイル『カタログ』なんだろうな。モノよりもコトなんだよね。
  • 現代でも堀内誠一が作り上げたエディトリアル・デザインの文法から一歩も踏み出していないような気がする。
  • 絵本の原画がちょう素晴らしい!これを眺めるだけでも十分愉しめる!
  • 堀内誠一が海外から友人に送ったエアログラムを眺めていると、林丈二の絵葉書を思いだした。うまく言えないけれど観察眼と表現方法が似ているように思う。
  • 『血と薔薇』の実物を見られた(爆)いや、別に今更なんだけどさ…(再爆)
  • 原画を見て絵の描きかたがいろいろなスタイルを駆使していることに気がつかされた。固定・固執するのではなく、自由に使い切っている。

見るものがたっぷりで、だいぶ時間を費やしました(笑)
ほかの企画展に回る予定をキャンセルするハメに(笑)。時間はたっぷりと用意してみることを勧めます。

エディトリアル・デザインや絵本に興味ある方はオススメ。必見。

最後に堀内誠一の言葉を

『視覚の記憶の強い人は王者である。世界を眼で知る人は幸せである』

旧横浜プリンスホテル貴賓館(旧東伏見邦英伯爵別邸)


横浜市磯子区、iPhone4

5/15に一般公開された旧東伏見邦英伯爵別邸。
くわしい説明はこちらを(笑)良くまとまってます。

F80Sも持って行ったけれども、なんか失敗しているっぽい予感。
フィルム残っているので、公開はもう少し先に。