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2019/06/10

横浜開港160周年横浜浮世絵@神奈川県立歴史博物館

名称: 横浜開港160周年横浜浮世絵
場所:神奈川県立歴史博物館
入場料:企画展のみ¥600(後期展は前期チケットで¥100割引あり←失念して未利用)
期間:4/27〜6/23(後期展は5/30〜)
見学日:5/26と6/9
図録:あり。¥1500。購入。

開港前後から明治期に掛けての一時期、横浜の風景・人物・事物を描いた浮世絵群があった。それが横浜浮世絵。
今年は開港160周年(あのY150から10年!)ということで、その大規模な回顧展が開催された。

まずは前期展の感想から。

最初の展示は江戸名所図会から横浜弁財天社。
開港以前の横浜の浮世絵が少ないことを指摘(箸にも棒に引っかからないような場所だった)。これ、結構重要なことと思うのだが、案外忘れがちなことよね。江戸名所図会の中でも横浜地域のって結構少ないはず。あと、後期展では神奈川沖浪裏も展示されるようで、これが楽しみ。

キャプションで絵師の名を「北斎」とか「国芳」とか名前だけで表記してある。理由は一理ある(名字の改名が多い故)けれど、一瞬頭の中で考える必要が…。「芳員」をみて、「…一川…だったかな?」と自信なく思いだすような事もあったからね。
五雲亭貞秀=歌川貞秀=玉蘭斎とか知っている人はいいけれども。

個人的な興味故か、人物・事物よりもその風景に目が行く。特に地形とその表現。これは特殊な見方だろうねぇ。
なんて前期展を見た後は独りごちていたのだが、開催中の太田記念美術館の企画展や雑誌・東京人の特集を知ると、こういうものの見方が最近あるのだと言うことに気がつかされた。流行なのかぁ。

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例えば本牧十二天の崖の高さとか、港崎を囲む堤防の高さとか、州干島弁天付近の地形とか。こういう事に目が行くようになって、昔の横浜の姿を想像してみたくなるときがある。州干島弁天が今でもそのままあったとしたら…ねぇ。十二天の山頂から眺める横浜港とか…

異国人酒宴遊楽之図の人物構図が万延元年遣米使節を描いた銅版画と一致するのは面白い。他の絵師の絵や写真、海外の新聞などから、写し取るというのは当たり前のことだったみたい。コピペといえばコピペなんだが…

虎を描いた今昔未見生物猛虎之真図。暁斎…暁斎って河鍋暁斎よね?これがいい感じ。他の絵師が書いた虎よりも虎(実際には豹なわけだが)らしい感じ。これは仮名垣魯文が文を書いていた。

開港後の鉄道を描いた浮世絵。どの程度真実なものなのか。機関車の両側に車両を繋げた絵もあるのだが、こんな運用を当時したのかね??
これも海外の絵や写真などから描いたのではないかと想像する。

東京蒸気車鉄道一覧之図という鳥瞰図。新橋から横浜までの線路を一直線に描いてあるもの。一直線に描いてある故に、地形コンシャスではない線路のそれが見えてくる面白さ。海を渡り、切り通しを抜けて横浜を目指す鉄路の一種異様さが。

最後に横浜浮世絵の認知のコーナー。丹羽コレクションと齋藤コレクションの話。ここに石渡江逸(野沢屋の図案部出身で、川瀬巴水の弟子。横浜の風景を描いた)の浮世絵も展示。たかだか一作品だけど、これはうれしい。

ここから後期。後期は展示を総取替なので、あたらしい目線で見ることができる。

前期展のチケットを持っていくのを忘れるという不始末(¥100割引にされず)。こういったリピートのチケット割引は、利用すべきだと思っている。リピーターの割合を知りたいのだろうからね。昔は、ちゃんと支払ってこそ…と考えていたけれども。

北斎の神奈川沖浪裏。初めて見たよ。案外ちっちゃいものなんだな。迫力がある故か、もっと大きいかと想像していた。
まあ、そういうことに気がつかされるだけでもいいのだろうな。実物を見るという意義がそこにはある。

貞秀の再刻御開港横浜之全図。前期のものとくらべると風景の違いがわかる。そして細かい地形に目が行く。横浜はそれなりに背後に山があるためか、垂直方向への強調はあまり気にしなくてもいいのかもしれない。(江戸・東京のソレと比べて)
御開港横浜之全図。手前に東海道を配して、右に帷子川河口(湾)。中央に関内。左手は本牧十二天までを配置。州干島というか州干弁天の辺りの地形表現に目が行く。これが今でも残っていたら、面白い風景になっていたろうなぁ。(前期と同じことを思っているw)
この当時(慶応元(1865)年頃)、 東海道から浅間下あたりで分かれて横浜を目指す横浜道は海の上。帷子川の河口はもっと内陸側だったわけだ。ここらへんも今の横浜の景観しか知らないと、ちょっと想像できない風景かな。

今回も地形表現にほぼ目がいってしまう。前期展以上に異人図や蒸気船・鉄道にはあまり興味がいかなかった。
とはいえ、貞秀の横浜異人商館之図と横浜異人商館売場之図が、以前は別の絵として扱われていたものだったが、2009年の展覧会の時に1Fと2Fとして繋がるものだったことが判明。確かに階段の位置が一緒! こういうのは貞秀らしい気もするな。

最後に石渡江逸の横浜万国橋。昭和初期の作品だが、これも立派な横浜浮世絵。これを見るためだけでも価値があったというもの。自分は大正新版画の系譜に連なる江逸の絵が本当に好きなのでね。

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