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2015/10/12

秋田へ

どうしても見たい展示のため、日帰りで秋田へ。そんな酔狂を。

名称:池田修三展「プロフィル profile」
場所:秋田県立美術館1F 県民ギャラリー
会期:9/19〜10/12
入場料:無料
見学日:10.4
図録:なし

池田修三は両親の故郷の木版画家。少女をメルヘンティックに描く人。
興味を持ったきっかけはなにだったかな。ちょいと失念。

池田修三展を見に。はるばる秋田まで。

儚い少女の姿だけかと思っていたら、いろいろ試行錯誤の時代があったようで、墨一色の時代、仏画風(まるで棟方志功←本人も認めている)や飛鳥時代の人を描いたものなど多数に渡る。
仏画で気になった作品が一つ(タイトル失念)。円空仏のようなシャープな線。
飛鳥時代のものは、少女絵につながる雰囲気が感じられる。

モノクロから多色刷りへ変化。時期がちょうどカラーテレビ普及期。直接は関係ないのだろうとは思うが、面白い符合。

子どもが生まれたときに描いた母子の画。これがなんとも素敵。優しい線描と愛情が伝わってくるような絵。

風景画。池田修三の故郷、象潟や鳥海山を描いたもの。
自分が子供の頃、両親に連れられて見た風景がそこにはあった。自分にしかわからない感覚。

竹芳洞という版画の摺師(横浜の方らしいよ)が、池田修三の版木を刷ったものが販売されていた。お値段がそれなりで手はでなかったが、しばらく躊躇した。

わざわざ見にいく甲斐はあったなぁ。いい時間をすごせました。

にかほ市象潟の象潟郷土資料館にも展示スペースがあるようなので、いずれ伺おうと考えている。

次は同じ秋田県立美術館の企画展を。(さほど興味のある分野ではないのだが、見ておいて良かったという…)

名称:企画展 藤田嗣治と平野政吉 まぼろしの美術館1936-1938
場所:秋田県立美術館
会期:10/3〜1/13
入場料:¥310
見学日:10.4
図録:なし?

 1936年7月、平野政吉は、急逝した藤田嗣治の妻・マドレーヌの鎮魂のために、秋田に美術館の建設構想を打ち出します。この構想を受けて藤田は、自作を多数、平野に譲渡。美術館の設計に関わることを表明し、秋田をテーマにした壁画を描くことを宣言します。

 壁画《秋田の行事》は、1937年2月から3月にかけて、平野家の米蔵で制作されました。美術館は、壁画完成の翌年、1938年春に秋田市八橋の日吉八幡神社境内に着工。しかし、戦時体制下、まもなく建設工事は中止となります。まぼろしと終わった美術館の図面が、近年、平野家親族の家から発見されました。この図面をもとに、秋田県立大学建築環境システム学科の込山ゼミが、美術館の内観と外観のCG映像を製作しました。

 本展では、ヨーロッパの建築を髣髴とさせるガラス屋根だったまぼろしの美術館が日吉八幡神社境内のどこに建設され、壁画がどのように展示される予定だったかを、リアルな映像と模型で紹介します。あわせて、藤田がまぼろしの美術館に飾ることを想定していた絵画を展観します。また、藤田が自身の個人ギャラリーを、平野は藤田作品を中心にしながらも多岐にわたるジャンルを網羅する美術館をイメージしていたことを、当時の資料で明らかにします。

この解説文でほぼすべて言いたいことは表しているけれど、いくつか補足。
平野政吉は秋田の富商。戦後発足した秋田県立美術館自体、平野のコレクションからはじまったようで、正式名称が秋田県立美術館(平野政吉コレクション)となっている。

まずは藤田嗣治の大絵画「秋田の行事」。
解説がなければわからない部分も多数。油田はわからなかった。
とはいえその迫力は素晴らしい。

「秋田の行事」を描いた、平野の蔵での製作の様子を(推理して)建築模型にしたもの。
壁画の大きさは蔵の大きさに規定されていたのか…。

藤田の絵や平野のコレクションも展示してあるが、ここらは省略する。

なによりも「幻の美術館」がメインディッシュ。
鉄骨木造(一部石を利用か?)。そして屋根の一部はガラス。
雪の重みや、日光による美術品の劣化という問題が生じるだろうと予想。
トイレ、学芸員室、事務室的なものも用意されていないのは、手落ちかな。
とはいえ、夢想としての美術館。なんだか理解できるような気がする。

現在の秋田県立美術館は、2013年に開設されたもの。コンクリート打ちっ放しで、空間の使い方もちょっと寒々しく、あまり褒められたハコとは思えなかった。
なんというか、美術館としての使いやすさよりも、設計者の自我の表現の主体になっているように見える。
(帰宅後、設計者を調べたら安藤忠雄。納得。深く、納得。)

2013年まで利用されていた旧館が、道を挟んだ千秋公園内にあり、この建物がまた面白いデザイン。

旧秋田県立美術館。なんか面白いデザイン。誰の設計だろう?

いろいろ位置を変えて撮ろうとしたが、いい場所を見つけられず…。
1Fはピロティ構造的な部分もあるのに、上階は日本的なデザインがモチーフになっているように見える。建築家はいまだわからずじまい。誰なのだろう?

このあとは、近くの赤レンガ郷土館(旧秋田銀行本店本館)で池田修三と勝平得之(これも秋田の版画家)のミニ展示をみる。
勝平の土着性、池田との交流がメインかな。
あとは池田修三の多色刷りの行程展示。10回刷り!てまひまを考えると気が遠くなりますな。

Photo

池田修三に関していえば、男性から見た幻想としての少女性を強く感じた。
対抗軸としての例を挙げれば、野中ユリあたりになるのかな。(ジャンルは違えど、矢川澄子や倉橋由美子にも通ずるなにかだとおもう)

ふと思い立って実行した、秋田日帰り。収穫はおおきかったものの、疲れもかなり引きずりました。
とはいえ、日帰りで遠距離遠征する自信はついたかなw。

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